本当にお世話になった70歳の韓国のおばあさんへ誕生日プレゼント
私が韓国へ語学研修へ行った時、下宿のおばあさんがとてもよくしてくださいました。
おばあさんは20代の頃、日本の九州のほうで、役所に勤めていたという話しをよくしてくれました。
もちろん日本語がとても堪能です。
そしてよく日本の歌を歌ってくださいました。
しかし私はおばあさんが歌ってくれた歌を一つも知りませんでした。
おばあさんは今ではもう聞くことができないので、記憶をたどって紙に歌詞を書きとめていらっしゃいました。
とても懐かしそうに歌っていらっしゃるのが印象的でした。
おばあさんは
「韓国人の中には日本人が嫌いな人もいるけど、本当に私は日本が恋しい。なぜならば、自分の青春時代は日本だったから。」
と語ってくれました。
そう、韓国人のおばあさんの青春は全て日本にあるんです。
韓国のおばあさんから70歳のお祝いの招待状を貰う
その語学研修から帰国後もおばあさんに年賀状を送ったり、関係が続きました。
2007年、おばあさんの70歳のお祝いの招待状をもらいました。
韓国では70歳はかなり盛大なパーティーを行う家もあります。
70歳の誕生日プレゼントは歌謡曲
何をプレゼントしたら喜ぶかなと考えた末、歌謡曲をプレゼントしようと考えました。
以前おばあさんが歌ってくれた歌詞を思い出し、ネットで検索してみたところ「愛国の花」という軍歌をみつけました。
軍歌というのに少し驚きました。
そして昭和の歌謡名曲集を買おうとしましたが、なかなかレコード店になく、ヨーカドーのワゴンコーナーに懐かしの名曲と書いてあり、そこで購入しました。
一枚1500円弱を5枚買いました。
古希の誕生日プレゼントは翌日こっそり渡しました。
結局お祝いの席では渡しませんでした。
なぜかと言うと日本の歌のプレゼントに気を悪くするおばあさんの家族がいるかもしれないからでした。
次の日、おばあさんを訪ね二人っきりで渡しました。
おばあさんはぎゅうっと私を抱きしめてありがとうと言ってくださいました。
後日おばあさんから友達と一緒にそのCDを聞いているという手紙をもらいました。
プレゼントとは値段ではなく、その方の思い出にそっと花を添えることなのだと思いました。