母親にゴージャスな還暦のお祝いに花、朱色のミニバラの鉢植え。
20年くらい前となりましたが、母の還暦のお祝いをした時の事です。
当時は、父がまだ若い・・・というくらいの年齢で亡くなってから数年たった頃でした。
なので、正直、皆お祝い処の気分ではなかったのです。
が、まだ若見えする母に「再婚すれば?」と言うと、もう、結婚なんて嫌だと心を決めていたようであったため、それなら、還暦のお祝いをしちゃおうかと、何とはなしに子供達二人の間でそういうことになっていました。
満年齢を迎える誕生日にプレンゼント
一応、満年齢を迎える誕生日に、ささやかな心ばかりのプレゼントを贈ることにしました。
還暦祝いは、昔は寿命が40歳代だったという事もあり、還暦の年齢まで生きることが稀であったことから行われていた行事です。
現代では、まだ仕事や遊びに飛び回れる年齢です。
本格的なお祝いは、まだずっと先かな〜という感じ方でした。
プレゼントは本人に希望を聞いた
還暦のお祝いと言うと、赤いちゃんちゃんこ。
ただ、その当時も既にタブーに近いほど古くて実用的でない贈り物とされていました。
それで、赤い下着や靴下などが主流でした。
念のため、本人にいる?と聞いてみると、絶対嫌だということでした。
それで、花が好きで育てるのも上手い母が間違いなく喜ぶであろう花の鉢植えをあげることに決めました。
ミニバラの少し大き目な鉢植えを見つける
なんか赤い物・・・と探していたところ、花色がとても珍しいミニバラの少し大き目な鉢植えが見つかりました。
可愛くて小さな花をつる状に枝を伸ばすミニバラは、鉢植えだけでなく垣根としても人気でした。
ピンク系レッド系はよく見かけるものの、花びらにムラのない深みと鮮やか朱赤は非常に珍しく感じました。
値段は3,800円くらいで、この手の鉢植えのしては高いなという印象でした。
しかも、葉ののつぼみをたくさん持っており、次々と花を咲かせていくような勢いの花株でした。
花好きな母は、お祝いを喜んでくれた
花好きな母は、このお祝いを大変喜んでくれました。
そして、せっせと世話をして大きく立派に膨らませ、見事な花を沢山つけました。
ちょっとこれまで見たことないような迫力あるゴージャスな花鉢となり、今でもその姿が忘れられないほどです。
母からは、御礼など堅苦しいものはなかったです。
喜んでいる様子や、見事な花をたくさんつけた花を一緒に観賞出来たことが何よりでした。
とても哀しい後日談
この花にはとても哀しい後日談があります。
あまりにも見事で美しかったため、母が玄関先に出して飾って道行く人にも楽しんでもらおうとしました。
すると、数日たたずして、粘着スプレー(おそらくニスか何か)を入念にかけられてしまい、全て花が枯れて落た姿で発見されたことです。
良く洗ってせんていしましたが、幹や根元まで入念にスプレーを吹きかけられており、完全に株が枯れていました。
まるで無差別殺人かなにかに遭遇したように、強い憤りを感じ涙した感情が今でも忘れられません。
当時お茶のお稽古を受けていたため、先生に涙ながら訴えたところ、バラに嫌な思い出のあった人なのではないかとやんわり慰められました。
還暦のプレゼントに限ったことではありませんが、他人の心、もしかしたらとても近所の人であったかもしれませんが、よその家に対するちょっとした嫉妬心というものが怖いと初めて思ったのはこの時でした。
お祝いはハッピーな気持ちで行うものですが、内々でするもので、あまり人には見せないほうが良いのかも知れません。